日焼け止めの選び方・使い方・落とし方

日焼け止めの選び方・使い方・落とし方

こんにちは。じじまごです。
ドラッグストアで、日焼け止めの種類がありすぎて何を基準に選べばいいか分からず困った経験はないでしょうか。
今回は、そんな日焼け止めの「選び方」「使い方」「落とし方」をまとめてみました。
ピッタリな日焼け止め選びのお役に立てると幸いです。

こんな方におススメ
  • 日焼け止め基礎知識が欲しい方
  • 日焼け止めの違いがよく分からない方
  • とりあえずSPFの数値が大きくて、「+」が多い商品を選びがちな方
  • 日焼け止めの量や落とし方は「なんとなく」であまり考えたことがない方
目次

紫外線について

日焼け止めがブロックしてくれる紫外線。紫外線はシミ、シワ、たるみなどの「光老化」といわれる肌の老化や、赤くなったり水膨れを起こす炎症などのトラブルを引き起こします。

紫外線の種類

「紫外線」は太陽光から降り注ぐ光の一種で、3種類あります。

  • 地表まで届くもの(UV-A)
  • 一部がオゾン層で吸収されるものの、地表まで届くもの(UV-B)
  • オゾン層で吸収されて、地表まで届かないもの(UV-C)

日焼け止めは、地表まで届く①UV-A(紫外線A波)と②UV-B(紫外線B波)からブロックします。
波長の長さが異なり、肌に与える影響もやや違いがあります。

「UV-A」が与える影響

地表に届く紫外線の約9割を占めるといわれるUV-A。目で見える肌の表面部分(表皮)を通過して真皮にまで届き、見えないダメージをじわじわじっくり長期的に与えてきます。

真皮とはお肌のハリ(弾力)を与える層であり、コラーゲンやエラスチンなどの繊維細胞でできています。血管や神経が通っているところなので、思いっきり体内に届いてる感がありますね。
日差しを受けた後、一時的に黒くなるのはUV-Aの影響。

UV-Aを浴び続けると真皮のコラーゲンやエラスチンが変性したり壊れたりするため、徐々に肌の弾力を保てなくなり弾力を失った肌は重力に耐え切れなくなります。つまり、じっくり時間をかけてシワやたるみを引き起こします。

なお、UV-Aは窓ガラスや雲を通過する強者なので「屋内にいるから大丈夫」「今日は天気が悪いから平気」は通用しません。

メラニンとは

メラノサイトという色素を生成する細胞が、紫外線を感知した時に作られるのがメラニンです。
紫外線を吸収し、健康な肌作りの元である真皮に紫外線の悪影響が及ばないようにする、盾のような役割を担っています。

日差し(UV-A)を受けた直後に肌が黒くなるのは、メラノサイトがメラニンをたくさん作って肌を護った証。働きを終えると肌のターンオーバー周期に合わせて皮膚の表面に向かって上昇し、最後は垢などになって剥がれていきます。
しかし、老化や紫外線ダメージなどで肌のターンオーバーが乱れた時、過剰に生成されたメラニンが肌に留まり、色素沈着、シミの原因になります。

UV-Bが与える影響

UV-Aに比べて波長が短く、オゾン層や雲に阻まれやすいUV-B。地表に届くのは全紫外線のうち約10%ほどですが、エネルギーが強く刺激の強いダメージを短期で与えてくる印象。

UV-Bはお肌の表面にある層、表皮にダメージを与えます。レジャーなどで長時間日差しを浴びると赤くなったり水膨れなどの炎症を引き起こします。
いわゆる「日焼け」のツラい諸症状を引き起こす原因はこやつ。

その皮膚表面の細胞を傷つけたり炎症を起こすエネルギーの強さは、シミやそばかす、皮膚ガンのリスクにもなります。
他には、メラノサイトが活性化してメラニンが増えることによって、肌が黒くなったり、シミ、そばかすの原因にもなってしまうそう。

紫外線対策は毎日する

天候に左右されずに紫外線は降り注ぐし、屋内にいてもUV-Aにさらされてしまうため、基本的に紫外線対策は毎日行いましょう。
日焼け止めだけでなく、UVカット機能が付いた衣類やサングラス、日傘などのアイテムとの合わせ技で、極力紫外線ダメージを避けたいところです。

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UV-A(紫外線A波)UV-B(紫外線B波)
ダメージの与え方長期的に穏やかにダメージを与える短期的に強いダメージを与える
ダメージを与える皮膚の層真皮表皮
地表に届く全体の紫外線の割合約90%約10%
曇り空の透過する(晴天時の約75%は届く)*する(晴天時の約50%は届く)*
窓ガラスや壁の透過するしない
*ウェザーニュース「雲はカットしてくれない?曇っていても紫外線に注意!」掲載の2019年4月池袋での観測データを引用

日焼け止め選びの基準

きちんと日焼け止めを使うぞ!となったところで、日焼け止め選びの基準となる以下3点を確認していきます。
この4点をおさえれば、使用する人や状況にあったものを探しやすくなりますよ。

日焼け止め選びの基準4点
  • 紫外線防止成分の種類
  • SPFとPAの値
  • UV耐水性の値

紫外線防止成分の種類

日焼け止めには紫外線を防止する成分が使用されており、紫外線散乱剤(反射剤)紫外線吸収剤の2種類があります。
主に日焼け止めのタイプは3つで「紫外線散乱剤(反射剤)のみのもの」「紫外線吸収剤のみのもの」「紫外線散乱剤(反射剤)と紫外線吸収剤の両方を使用しているもの」のどれか。どちらの成分もメリットとデメリットがあり使用感も違うので、合っているものを選びたいですね。
成分の違いなんて考えたことがなかったし初耳!

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紫外線散乱剤(反射剤)紫外線吸収剤
特徴・肌の表面で紫外線を鏡のように反射、散乱させて肌内部への侵入を防ぐ
・白色の無機粉末状
・スポンジのように肌の上で吸収した紫外線を熱や赤外線などの熱エネルギーに変化させて放出し、肌を護る
・透明でサラッとしている
メリット・低刺激で肌にやさしい
・紫外線散乱剤だけで作られたもの(ノンケミカル)は石鹸で落とせる
・伸びがよく透明なので白浮きしない
・汗に強い
・少量でも紫外線防止効果が高い
デメリット白浮きしやすいものがあるまれにかぶれることがある
一般的に使用される成分名・酸化チタン(UV-Bをより防ぐ)
・酸化亜鉛 (UV-Aをより防ぐ) など
・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
・ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル
・t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン など

紫外線防止力を表す「SPF」と「PA」

どの種類の紫外線からどの程度守れるかを表しています。
SPFはUV-Bから肌を保護できる時間を数値で示しており、PAはUV-Aから肌をどれだけ保護できる力があるかを「+」の多さで示しています。
ここで大事なのは、威力が強ければよいわけではないということです。紫外線から保護する力が強いものは刺激が強めの紫外線吸収剤が使われているケースが多く、肌にかける負担が大きくなる傾向があります。
どのぐらいの強さの紫外線をどれだけ浴びるのかを目安に、使用状況に合わせた日焼け止めを使用するのがポイントです。

SPF

Sun Protection Factor(サン プロテクション ファクター)」の略で、日焼けの炎症を与えるUV-Bから何分間肌を保護できるのかが分かります。
何も塗っていない肌と比較して、日光を浴びて肌が赤く炎症するまでの時間をどれだけ引き伸ばせるか(赤くならないように保護できるか)を表しています。最高値は50で、数値が大きいほどUV-Bを防ぐ力が高くなります。
時間の目安は以下のようにSPF1=約20分計算です。

最高値は50で、「SFP50」と表示、51以上を「SPF50+」と表示、値が大きいほど効果が高くなります。たとえば、SPF1あたり約20分で、SPF30の場合、約20分×30=約600分(10時間)、SPF50の場合、約20分×50=約1000分(16.6時間)と、SPFの数値は大きくなるほど、肌が赤くなるまでの時間を延ばしてくれるのです。

日焼け止めのSPFとPAの違いは?肌を守る正しい日焼け止めの選び方|お役立ちコラム|基礎化粧品ドモホルンリンクル (saishunkan.co.jp)

PA

Protection Grade of UVA(プロテクション グレイド オブ UVA)」の略で、真皮に到達し肌の老化を招くUV-Aを防止する力がどれだけあるかが分かります。
UV-Aを浴びてから短時間で肌が黒くなる反応を指標にしており、表示はPA+~PA++++の4段階。「+」が多いほどUV-Aを防止する力が強いです。

「PA+」(UVA防止効果がある)、「PA++」(UVA防止効果がかなりある)、「PA+++」(UVA防止効果が非常にある)、「PA++++」(UVA防止効果が極めて高い)のいずれかで表示され、「+」の数が多いほどUV-A防止効果が高いことを示しています。

気になる紫外線用語CHECK! | 日本化粧品工業会 (jcia.org)

どれぐらい水に強くて落ちにくいかを表すUV耐水性

水に濡れた後でも、UV-Bから護る力を示すSPFの値がどの程度維持されているのかを目安にしています。
今までは耐水性の表現方法が製品によって様々(例「ウォータープルーフ」「水で落ちない」など)で、耐水レベルも企業によってバラつきがあり明確な基準がありませんでした。そのため、2021年に日本化粧品工業会によって新たに設けられました。

測定基準は以下の通りです。あくまで外部からの水に触れた後の効果を見ているので、内部からの水分である汗に強いかどうかは分からないです。

「UV耐水性☆」は、40分水に浸かってSPFの値が水に浸かる前の50%以上維持されていることを示します。  
また、「UV耐水性☆☆」は、80分水に浸かり、SPF値が入る前の50%以上維持されていれば、☆印が2つになります。

日焼け止めに新表示 UV耐水性とは?ウォータープルーフとの違いは? | NHK

現在はまだ「UV耐水性」表示の経過措置期間となっていて、「UV耐水性」表示がある製品もあれば、表示がなく従来の「ウォータープルーフ」「水に強い」など表現のみを使用した製品が混在しています。2024年12月以降に出荷される商品は「UV耐水性☆」、または「UV耐水性☆☆」と表示される予定です。

シーン別の日焼け止め

出典:紫外線防止の基本 | 日本化粧品工業会 (jcia.org)

日焼け止め選びの基準に日常生活のどのシーンが適当か当てはめると、普段の通勤や買い物などの「ちょっとした外出(1時間以内)」はSPF20程度でPAの値も低いもので十分なようです。
日に当たる時間が2時間以上になってくるとSPFやPAの値を高くしたものが適しており、UV耐水性は「水に触れるだけ」か「水に浸かるか」で見極めます。

これにプラスして肌に優しい低刺激タイプかどうかなどで紫外線防止成分も考えると、より希望や状況に合っている日焼け止めが選べますね。

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SPF/PAの値生活シーン外出時間の目安
SPF10~20 /
PA+~PA++
通勤や通学、散歩などの日常生活数分~1時間程度
SPF30~40 /
PA++~PA+++
屋外での軽いスポーツ、BBQなどのレジャー2~3時間程度
SPF50以上 /
PA+++~PA++++
炎天下や新雪でのスポーツ、登山などのレジャー・3時間以上の長時間
・強い紫外線に常にさらされる場合
水に触れない時の日焼け止め選びの基準
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SPF / PAの値生活シーン外出時間の目安UV耐水性
SPF30~40 /
PA++~PA+++
水に触れる活動
洗車やガーデニング、沢遊びなど
2~3時間程度UV耐水性★
SPF50以上 /
PA+++~PA++++
水に浸かる活動
屋外プールやマリンスポーツなど
・3時間以上の長時間
・強い紫外線に常にさらされる場合
UV耐水性★★
水に触れる時の日焼け止め選びの基準

効果的な日焼け止めの使い方

「ムラなく塗る」「たっぷり塗る」が鉄則です!

日焼け止めが塗られていない部分は紫外線にさらされてしまい、せっかく塗ったのにダメージを受けてしまいます。量が少ないとムラなく塗ることが難しくなるため、ケチらないことも大切。
耳なし芳一を思い出しながら左官職人のマインドでしっかり塗っていきましょう。

塗り方

STEP
塗るタイミングは朝の洗顔後

肌になじませることが目的です。
外出の直前に塗ると、日焼け止めが肌になじんでいないために衣服にこすれて落ちてしまう可能性があります。
家にいてもUV-Aが入ってきてしまうので、早めに塗って防御を固めておきます。

STEP
顔は5点置き

重ね塗りをしてムラを防ぎます。
日焼けしやすく、日焼け止めが落ちやすい頬、額、鼻、あごはしっかり重ね塗りします。髪の生え際、小鼻のわき、耳、フェイスラインの塗り忘れにご注意を。

  • 日焼け止めを適量(クリーム状:パール1個分、液状:1円玉効果1枚分)手にとる
  • 額、両頬、鼻の上、あごの5点に置く
  • ムラにならないよう顔全体に丁寧に伸ばす
    手のひらではなく、薬指や中指で顔の中心から外側に向かってすみずみまで伸ばすと◎
  • 同量の日焼け止めを手にとり、同じように重ね塗りする
  • 両方の手のひらで顔全体を覆うようにして日焼け止めをゆっくり押さえる
STEP
身体は日焼け止め容器から直接肌に線状に乗せる

塗る範囲が広くなるため、容器から直接肌にたっぷり乗せてから全体に塗り広げます。
薄手の衣類に覆われている部分も紫外線を受けるため、可能であれば衣類に覆われている部分も塗るとよいそう。

  • 日焼け止め容器から肌に直接線上に出していく
  • 手のひら全体を使って大きく螺旋状に伸ばす
  • 同様の手順で重ね塗りし、全体に塗る

塗り直すタイミング

理想的なのは2~3時間おき。でも汗などの水に触れることがなければ、一日0~1回程度でもOKらしいです。
日焼け止めが水分に触れることが多かったり強い日差しを長時間浴びる環境になければ、こまめな塗り直しや「明確にこのタイミングで塗り直し」というルールはない模様。

屋内をメインで過ごしたり外出が短時間で終わる場合は、それぞれの美白意識に合わせて0~1回の塗り直しでよさそう。
ただし、海水浴などは海に入るたびに塗り直すなどこまめな対応がベストです。

他にもレジャーやスポーツなどで衣類によるこすれ落ちや汗で落ちそうなシーンでは、可能なら2~3時間おきを目安に塗り直した方が安心です。

NGな塗り方

せっかく塗ったのにダメージを受けてしまった!ということにならないために、念のためNG塗りをしてないか確認していきましょう。

保湿ケアをしないで塗る

保湿されていない肌は乾燥しており、乾燥から保護するために皮脂を分泌します。
そんな乾いたお肌に日焼け止めを塗ると、もっと皮脂が分泌されて日焼け止めが皮脂で落ちてしまいます。
乾燥した肌には日焼け止めが均一につかず、ムラになりやすい傾向もあります。

少量を薄く伸ばして塗る

製品によっては伸びが良いため少量でも問題ないものもあるかもしれませんが、全部の製品に当てはまるわけではありません。
鉄則は、塗り残しが無いようにムラなくしっかり塗ること。たっぷりめの量(適量)で防御してこそ日焼け止めの真価が発揮されます。

手のひらで擦り合わせてから塗る

一度手のひら全体に伸ばしてから塗り広げると、ムラができやすいためNG行為です。
日焼け止めを手にとる時は、顔や体のパーツに乗せるのみにして、手のひらにべったり伸ばさないようにご注意です。

日焼け止めの使用期限

製造日から未開封のものは3年、開封済みのものは1年間とされています。この期限を過ぎると紫外線を防止する効果が段々と薄れてきたり、肌荒れを引き起こす可能性も出てきます。

今年使用している日焼け止めは年内中に使い切るようにして、もしも来年も使う場合は腕に少しだけ塗って肌荒れなどの異常が出ないか確認してから使うようにすると安心です。

日焼け止めの落とし方

日焼け止めのタイプによって落とし方が変わります。基本的にはパッケージに記載されている方法で落としていきますが、もしもまだ残っている感覚がある場合はクレンジングをプラスすると落とせます。

お湯で落ちるタイプ

パッケージに「お湯で落とせる」旨が記載されているタイプです。
しかし、日焼け止めはお湯で落とせても他の皮脂などの汚れは落としきれずに残ってしまう可能性があります。石鹸やボディソープを使って洗い流すことをおススメします。

石鹸やボディソープで落ちるタイプ

パッケージに「石鹸(ボディソープ)で落とせる」「クレンジング不要」などが記載されているタイプです。
よく泡立てた石鹸やボディソープで落とせますが、落とし切れていない感じがあれば肌に優しいミルクタイプかクリームタイプのクレンジング剤を使うと安心です。

どちらも肌に優しいクレンジング剤ですが、ミルクタイプは敏感肌の方、クリームタイプは乾燥肌が気になる方におススメです。

ミルクタイプは洗浄力がクレンジング剤の中で最も弱く、クリームタイプは最も肌への摩擦が少ないため、乾燥して肌が過敏になっている方に適しています。保湿力はどちらもあります。

クレンジング剤が必要なタイプ

パッケージに「お湯で落ちる」「石鹸で落ちる」などの記載がない場合、ほとんどがクレンジング剤で落とします。
UV耐水性やウォータープルーフと記載されているもの、紫外線吸収剤が配合されているもの(SPF、PA値が高いものが多い)がこのタイプです。
洗浄力が強いオイルタイプやバームタイプのクレンジング剤で落としていきます。

オイルタイプはすぐに落として洗い上がりをサッパリさせたい方に向いています。バームタイプは、高い洗浄力を保ちつつも保湿したい方に向いています。
乾燥が気になる方や敏感肌の方はバームタイプが無難です。

感想

紫外線対策に休日なんてもんは存在しないことが分かって良かったです。
日焼け止めのことや紫外線のことをあまり知らないのは分かっていましたが、「数値が強ければ最強」としか考えずに強すぎる日焼け止めを使ってたし、使い方も間違っていたし、何なら落とし方も全くなっていないという大惨事でした。
心を入れ替えて、適量を意識して適切な日焼け止めを使用し、正しく落としていきたいです。

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